Interview with Designer Ini Archibong

Interview with Designer Ini Archibong

2024.5.1

(Collaboration)

  1. ものづくりへの関心は、ご自身のこれまでのデザイン業界での経験とどうま交わり、また津軽塗とのコラボレーションにどのような影響を及ぼしましたか?

デザインとは創造する前のプロセスです。多くの職人たちと仕事をしてきた私は、特別なものを生み出すために必要なひたむきさと心意気をもってデザインに取り組んでいます。今回のコラボレーションも然りです。私は青森に行き、職人と共に時間を過ごし、彼らの技術を観察する時間を設けました。私がいつも心がけているのは、技術的な観点から職人の仕事を理解し、それを自分なりに解釈し、新しいものを生み出すことです。


  1. 津軽塗という精巧な漆器工芸は、自身のこれまで制作してきた作品とどのような共通点があると考えますか?

私が津軽塗に興味を持つ理由は、他の漆の技術と比べて、体系化された制作プロセスから独特でカオティックな結果が生み出される点です。これは私のデザイン哲学と一致し、作品制作にも影響を及ぼしており、一つ一つの作品が完全にユニークであることを担保します。たとえ反復可能なプロセスを用いたとしても、決して同じものを創ることはできません。私たちは混沌としながらも組織化されたシステムの中で生きており、このような環境に順応するためには、制御されたカオスを許容する枠組みの中で創造する必要があります。これはまさしく、津軽塗で起こっていることだと思います。


  1. 津軽塗のような伝統工芸とのコラボレーションにおいて、あなたのデザインに対するアプローチがどのような役割を果たしたのか、教えてください。

私のデザインに対するアプローチは、直感的で、時間をかけ、ある意味「整理されていない」ものと考えます。吉本英樹氏や職人の皆さんはより計画的で準備することに慣れているはずでしょう。そのため。私の仕事スタイルが故、アイデアが浮かびそれを形にし共有できる瞬間が訪れるまで時間がかかってしまったかもしれません。


  1. 津軽塗とのコラボレーションの中で、特に伝統的な職人技と現代的デザインを融合させる上で、どのような挑戦や気づきがありましたか?

何の困難もありませんでした。これは完全に完璧で直感的なコラボレーションでした。職人の技術を理解するために青森で時間を過ごし、それからアイデアを頭の中で膨らませました。コンセプトが明確になってからは、何を作るべきかが明確でした。ベルリンで私はシンセサイザーを組み立て、それを日本に送り、設計した通りの津軽塗を施したスカルプチャーに組み込まれました。最終的に作品は、私が思い描いたとおりの結果になりました。


  1. あなたのデザイン思想と津軽塗の特性の融合は、今後自身のプロジェクトにどのような影響を与えるとお考えですか?

職人たちとのコラボレーションは、私の人生そのものです。このプロジェクトは新しいシリーズの始まりであり、今後も日本の職人とのコラボレーションを続けていくつもりです。

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