- ランザヴェッキア+ワイは、探究心に富み、表現力豊かなデザイン言語を持っています。そうした視点を手漉き和紙の制作に迎え入れる中で、どのような点に一番ワクワクしましたか?
彼らは強い探究心と独自の視点を持ち、表現に対して一貫した考えを持っています。初めて会う前から、そして出会ってからも、美濃和紙の文化や背景、製法まで丁寧に調べ、深い敬意を持って向き合ってくれました。だからこそ、これまでの延長ではなく、未経験の方法で和紙と向き合えたことに大きな面白さを感じました。実現できるかという不安もありましたが、「できたら面白い」という感覚の方が強く、それが制作を前に進める力になりました。

- 彼らのアイデアに応えるために、原料の準備や制作工程で、工夫や変化が求められた部分はありましたか?
テーマが滝に決まって、表現方法を繊細にするため、楮を何種類か、そして三椏を使いました。技法でも異なる技法を試して、彼らのアイデアに近づけるよう工夫しました。通常障子に貼る紙は、京間判というサイズの紙を継いで建具に張っていくのですが、今回は、紙自体に模様を施して一枚の絵になるようにしているので、それに伴って大きな紙を作る漉き枠の制作も行いました。

- 彼らのビジョンを和紙で表現するうえで、最も興味深く、印象に残った課題は何でしたか?
最大の課題は、光による見え方の変化でした。障子という特性上、透過時と非透過時で印象が大きく異なるため、厚みや繊維分布を調整し、LEDとの関係も含めて試行を重ねました。また、紙は濡れている時と乾いた時でも表情が大きく変わります。制作過程と完成後の両方の変化を踏まえ、最終状態を前提に設計する必要がありました。その視点でつくること自体が興味深かったです。

- 今回のようなコラボレーションは、次世代の和紙職人にどのような刺激を与えると思いますか?
今回の取り組みを通して、決まった作り方に従うだけでなく、求められる表現に応じて材料や工程に手を加えていくことが、新しいものをつくる上で欠かせないと感じました。実際に手を動かしながら試行を重ねる中で、技術は決まった形のままではなく、更新されていくものだと感じています。自分自身もまだ途中ですが、その感覚を持つこと自体が大事だと感じています。そうした姿勢が、次の世代にとって一つの指針になればと思います。

- 本プロジェクトでの経験を通じて、それまで気づいていなかった和紙の新たな魅力や可能性を発見することはありましたか?
今回の取り組みで、新しい技法への発見や挑戦があり、それによってこれまでとは異なる表現の和紙をつくることができました。紙そのものの表現の幅も広がり、何と掛け合わせるかによって、まだまだ、未知なる可能性をまだ多く秘めている素材だと感じています。