- 吉本英樹氏とのコラボレーションを通じて、現代的なデザインの要素を取り入れたことをどのように捉えていますか?また、それは会津本郷焼という伝統工芸品にどのような課題や機会をもたらしたと思いますか?
活用していなかった素材がまだまだたくさんあるということに気づかされました。
本郷焼としての可能性はもとより、形の自由さにより素材や部材等の活用法に幅ができ、所謂常識の枠を超えた作品に繋げていけるものと思います。
- 本コラボレーションにおいて、会津本郷焼の伝統を保ちつつも、現代的な技術を取り入れることために工夫したことを、具体的にお聞かせください。
工夫というよりは、まず現状を見て頂いて、その中でデザインの模索をしていただいたことが有効だったと思います。言われたことにどうやったら答えられるか?そこだけを考えていました。
- 吉本氏のデザイン哲学や技術的アプローチのうち、会津本郷焼という伝統工芸に反映させる上で、最も興味がそそられた要素、または困難だったことは何ですか?
弊社製品を製作していく上で、本来粘土くずとして原土に戻るものが、その形状を捕らえ作品に繋げていく吉本先生の柔軟な姿勢と作品にしていく過程が新鮮でした。ただ、考えられた形を忠実に製作することが困難でしたが、楽しくもありました。
- 会津本郷焼の未来を描く上で、現代的なデザイン要素を取り入れながらも伝統を守るという本コラボレーションが、どのような影響を与えるとお考えですか?また、会津本郷焼のどのようなところに魅力を感じますか?
見る人の概念をそっくり変えることができると思います。そんな可能性のある本郷焼にこそ、魅力があるのではないかと思います。
- 本コラボレーションへの参画を通じて、どのようなパーソナルまたはプロフェッショナルな気づきを得ましたか?また、それはご自身の考えや、会津本郷焼の伝統工芸の今後の発展についてのご自身の考えにどのような影響を及ぼしましたか?
まずは、自分が陶工だということに改めて気づかされました。また、今回の製作にあたり若手の登用も行いましたが、若い人に伝えることだけが伝統ではなく、若い人から教えられることも伝統なのではないか、と感じました。