Interview with Designer ベサン・ローラ・ウッド

Interview with Designer ベサン・ローラ・ウッド

2026/05/31

(Interview)

  1. 有松・鳴海絞には、豊かな質感や複雑な柄、そして繊細な揺らぎがあります。初めて出会ったとき、どんな部分がご自身の感性と響き合いましたか?

絞りの括り方ひとつで、これほど多様で複雑な模様が生まれていくことに、まず強く心を動かされました。スズサン四代目の村瀬会長が実際に手を動かしている姿を見ていると、まるで魔法のようで、さまざまな形がどのように立ち上がっていくのかを目の当たりにする時間そのものに魅了されました。また、スズサンが近年の作品でより多く用いている、木版を用いた板締めの技法にも強く惹かれました。反物の段階で染めるのではなく、完成した衣服に対して折り方や木版の配置を行うことで生まれる、最終的な柄と衣服そのものとの関係性——その「対話」がとても印象的でした。

  1. 絞りの柄には、まるで生きているかのような躍動感があります。その力を、自身のデザインコンセプトにどう反映しましたか?

どの方向性で進めるかは、とても難しい判断でした。フラットなパネルで、より伝統的で複雑な模様の表現に集中するのか、それとも、現在のスズサンのストーリーの一部にもなりつつある、よりグラフィカルで現代的な表現を用い、立体的な形と染色の結果を結びつけていくのか。いずれにせよ、鮮やかな二色を「対話」させるように用いたいという思いがあり、二つの染料が反応して生まれる、漂白したときのようなにじみやぼかしの表情を強調したいと考えていました。これは過度にコントロールできるものではありません。だからこそ、染料が能動的に動き、布の配置や折りに反応しながら変化していく——その「生きている」ような感覚を捉えられると感じました。

  1. 制作のプロセスの中で、素材や技法に驚かされ、思いがけない方向へとプロジェクトが展開した瞬間はありましたか?

絞りのさまざまな模様の背景にある物語を知れたことがとても嬉しく、また、日本が他文化と関わりながら対話を重ねる中で、模様のスタイルが変化し発展してきたことに強く惹かれました。さらに、ある時代と強く結びついていた絞りの模様が、若い世代に再発見されることで新たな意味を帯びていく——そのダイナミズムにも魅了されました。こうした点は、弘行さんが日本国内外の現代の観客に向けて、伝統の細部や技術を起点に新しい対話を開こうとしている姿勢とも重なると感じます。私は彼の工芸への情熱に共鳴しながら、絞りの要素をさまざまな形で作品に取り込みつつも、「スズサンらしさ」をしっかり保つ方法をいくつも見出すことができました。また、生地の用途を身体にまとう衣服に限らず、住まいのための「衣」へと広げることを恐れない点も印象的でした。そうした流れの中で、私は照明作品に取り組む方向へ自然と関心が向かっていきました。

  1. 絞りならではの時間を要するプロセスは、今回のコラボレーション作品における色や柄の捉え方に、どのような影響を与えましたか?

制作においては、さまざまな生地の折り方や絞りの施し方にどれほどの時間がかかるのかを理解し、尊重することが重要でした。その前提を踏まえ、単色で染めるという制約の中でも成立するよう、デザインの組み立てを工夫する必要がありました。また、通常の伝統的な染色では最終的に取り除かれることが多い折り目や縫い跡、括りのディテールを、あえて作品に残す方法も探りました。通常は消し去られてしまう工程を意図的に取り込み、プロセスの各段階を作品の中で可視化したかったのです。

  1. 本コラボレーションを通じて、テキスタイルにおけるどのような新しい展開や可能性に興味が湧きましたか?

スズサンの皆さんと引き続きご一緒し、さらにさまざまな絞りの技法を探求していきたいです。今回のコラボレーションを通じて、有松・鳴海絞の可能性に触れたのは、まだほんの入り口に過ぎないと感じています。

Kataginu Unwoven by ベサン・ローラ・ウッド (@bethanlaurawood-wai.com)

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